IBSに悩むすべての仲間たちへ

IBS-日本語での病名は「過敏性腸症候群」。

この病気をご存じであればわかっていただけると思うが、ちょっと汚い話になる。

私は女性なので、特にこの病気に関しては深刻に悩んでいる。

かれこれ、3年以上前から悩まされている。

原因はよくわからないが、ある日突然、それは悪化した。

それまでは、便秘と下痢を繰り返すだけで、大きな問題は無かった。

20代後半くらいから、急性胃腸炎を時々発症するようになった。そのたびに胃腸科に行き、型どおりの薬をもらった。

急性胃腸炎、胃腸風邪の場合、何年たっても、もらう薬の内容はほぼ変わらない。しかも3~5種類くらいいっぺんに渡されるが、これがよく効くのだ。

だが、30代に入ると、慢性的な症状が出てきた。

便が出なくても便意がある。ウオッシュレットを使っても出ない。しかしおならは出る。いつ、隣人に気付かれるかわからない。緊張すればするほど、病状は悪化した。

腸には感覚というものがないのにも関わらず、痙攣しているのが自分でわかるようになった。

さらに腹鳴が出るようになった。お腹が空くと音が鳴る、あれの拡大版。脇腹を伸ばしただけで、えんえんと音が出続ける。もはやおならとの区別がつかない。

あまりにもひどくなってきたので、胃腸科を転々とした。とある胃腸科では、「ストレスによる過敏性腸症候群」と診断され、お腹をゆるくする薬をもらった。

だが、逆効果で、もっと苦しむようになった。

耐えられなくなり、心療内科を初めて受診。鬱病患者が行くところだ。ここで初めて、精神作用のある薬をもらった。

これは非常によく効くのだが、ものすごく眠い。とてもじゃないが、仕事にならなかった。

仕方がないので、この薬は気分が悪くなる会議の前だけにした。

その次に意を決して門をたたいたのが漢方相談。これは良かった。こちらでも、精神安定作用のある薬をもらった。

こちらは眠くならないのに、快適な気分になり、夜も比較的安眠できた。「さいこけいしかんきょうとう」という薬だ。

しかし大変高いので、しばらく治った気になったので、一度薬をやめた。

 

夏になり、会社にあたたかいドリンクが売られなくなった。ここからは、冷たいドリンクと胃腸の戦いである。

朝から水でも飲もうものなら、もうすぐに腸が痙攣してしまう。

女性ホルモンの作用で、どうしても便秘と下痢は繰り返されるが、IBS患者の下痢は結構痛々しい。

そこで、今まで手を出しては封印していた胃腸薬をひっくりかえしてみた。

その中にあったのが、「ビオフェルミン」である。父親に勧められて一度は買ってみたものの、便秘になってしまったので封印していたのだ。

下痢の時は効果的かもしれないと、それを飲むと、案の定、ぴたっと下痢が収まる。

調子に乗って、ビオフェルミンを飲み続けた。気が向いたら飲んだ。実は、ビフィズス菌で「摂りすぎ」はあまり無いようなのだ。

 

そうしたら、不思議なことが起こった。正直若干便秘気味になるものの、腸が痙攣しなくなったのだ。

つまり、ガスも出ない。腹鳴もおきない。静かになってしまった。

もしかしたらこの薬が一番よかったのかもしれない。

腸はセロトニンという幸福を感じる物質を出す。だから、便がきちんと出たあとは幸せな気分になる。爽快っていうのはセロトニンのことかもしれない。

ビオフェルミンを飲み始めてから、つらい症状が出ないので、とても気分が軽い。

それだけではない。

なんと、食欲が無くなったのである。

いままでのIBS時の私の食欲はひどかった。

食欲はある、たくさん食べる、消化に大変な体力を使って午後は居眠り。その上消化時に音は出る、痙攣はするで大変なことになっていた。

完全に胃腸が壊れていたとしかいいようがない。

本来の私の食欲など、このくらいだったのだ。

きっと、食べすぎだったのだろう。

最初は、寄生虫が腸に住んでいて、食べ物を欲していて、食べるとそいつが暴れだすという妄想さえ抱いた。

それも、ビオフェルミンのおかげでどこかに身をひそめてしまった。ランチも軽いもので済ませている。

 

もうひとつ絶大な効果。疲れにくくなった。

もちろん、あんまり食べないから、というのもあるが、今までの私は「食べないと疲れる」と思いこんでいた。

しかし、30代にもなれば、もうたいして食べなくても大丈夫なのである。

消化に力を使わず、ガスや痙攣に意識を使わないので、今までのようにひどい神経の疲れもなく、なんと肩こりが楽になった。

そしてそれは相乗効果を生む。

運動する気になれるのである。

お腹が空かないから、多少無理して階段登っても平気である。身体も心も軽い。肩がこっていないから、姿勢もよくなっていく。

 

胃腸は絶対に治すべきだと確信した。

食べる行為は死ぬまで続くだろう。点滴だけで生きていくのは一部の病人だけだ。我々は、口から食べ物を摂取し、エネルギーにしなければならない。

そのためには、絶対に腸の健康が必要なのである。

何がなんでも治すことをお勧めする。ちょっとばかり大枚はたくことになってもいい。市販薬を片っ端から試すのもいい。なんでも試してみるべきだ。

そして、汚い話と思わず、記録をつけていってほしい。

 

必ず、どこかに解決策があるはずだ。私はIBSの所為で本当にひどい目にあってきた。周りの理解など、ほぼ皆無。親ですら、軽蔑しせせらわらっていた。

けれど、父親の勧めてきた薬のおかげで、なんとかまともな状態を保っている。

せっかくインターネットも発達していることだし、無記名でどんどん人に相談しよう。今、IBSは珍しい病気ではない。

 

あなたにあった治療法は必ず見つかる。私のように、職場を転々とするのはあまりお勧めしない。今の職場で踏ん張って、有休使いながら、病院に通って、市販薬トライしていってください。

あと、完璧主義者に多いかもしれないけど、便秘は悪いことかもしれませんが、そのほうが快適なら、そっちが正解のはずです。

下剤はよくないです。下剤でもなんどか酷い目に逢いました。

身体は大事に。

 

—-参考までに今まで試した薬・治療法—-

・メデタックス(よく効くが眠い)

・さいこけいしかんきょうとう(効くが、高い)

・ビオフェルミン(根気強く飲むこと。無難な値段)

・爽和(まあまあ効く)

・ヨガ(まあまあ効く)

・骨盤運動(まあまあ効く)

・水泳(結構効く)

・ダンス(結構効く)

・腸もみ(ほぼ意味がないが、たまにツボが効く)

・オリゴ糖(下痢気味になる)

・しょうが(万病によく効く!しかも即効性がある)

・酢(やや腹をくだすが、お通じが少しよくなる、体液関係サラサラ)

・スムージー(なぜか、リンゴは痙攣がひどくなるが、柑橘系は最高)

・胚芽玄米(結構効く。白米とはえらい違い)

—-やめたほうがいいもの—

・コーヒー、アイスカフェオレ

・冷たい牛乳、牛乳全般。豆乳に変える。

・焼き肉(しゃぶしゃぶはOK)

・昼間から冷たい炭酸

・アイスクリーム、シャーベット