はじめての屋久島【2021.05】

屋久島というのは不思議な場所だ。

ほとんどの人は屋久島と聞くと、「もののけ姫」を思い浮かべるだろう。

もちろん、それも正しい。

しかし、今まで様々な島を渡り歩いてきたが、この島は特別な感じがした。

沖縄ほど、海だらけでもない。

また、他の島と比べると、極端にエコな雰囲気があり、水がとても綺麗。でも田舎すぎない。洗練されたオシャレなお店やレストランがぽつぽつとあり、リゾートみたいなホテルもある。
そして、移住者が異様に多いので、方言が理解できない!ということもなかった。また、住民やスタッフ同士の結束が堅く、色々紹介をしてくれる。

都会から移り住んだ人が観光サービスを営んでいるので、観光客としてはアウェイにならなくて済むのだ。

現地人ももちろん、ガイドや観光に携わっているのだが、陽気であんまり人見知りをしない。もう観光客に慣れているのだろう。それに学校で、観光業について学習できるらしい。

観光地として特徴的なのは、ど真ん中に山がいくつかあり、有名な「縄文杉」がある。山頂と麓の高低差がかなりあり、麓は九州の南だけあって快晴だとかなり暑い。けど、登山を始めるとかなり寒かったりする。寒暖差がかなり激しいのだ。かと思うと、美しい海に囲まれていて、熱帯魚を見ることもできる。お得だし不思議な世界だ。

自然の特徴としては、火山が噴火してできた島なので、実は山と見せかけて花崗岩が積み重なって、その上に杉の木が一生懸命生えているという構図になっている。

一見、土が無さそうなのだけど、大量に生えた苔の上に木が根を張り、落ち葉が苔の上に落ちて、岩の途中で積もり、そこからまたどんどん新しい木が生えてくる。その過程すら、間近で見ることができる。

また、屋久杉は特徴的で、湿度の高い屋久島で生き抜けるよう、独自の香りを出している。この香りによって、細菌に冒されにくく、腐りにくいのが特徴。「腐らない」「いい香りがする」ということで、屋久杉は江戸時代から大変人気があった。年貢として、島の住民は大量に杉の木を伐り出して運ばなければならなかった。それが縄文杉の登山道の半分以上を占める、「トロッコ道」を使って運ばれていたのだ。

また、特徴とも言えるのが、野生動物の偏り方。

普通関東圏で登山をすると、「熊鈴」をもっていくと思うし、私も富士山のふもとで一個記念に買った。そのくらい、本州だと「山=熊が出る」なのだが、屋久島で熊を見たものはまずいない。

屋久島に大量にいるのは、鹿と猿だ。

天敵が人間しかいないため、彼らは悠々とその辺を闊歩しており、猿が畑を荒らしたりするらしい。なお鹿は増えすぎなので、捕まえて食べてもOKである(笑)。なんか、報酬金が市役所から出るんだと、ガイドさんが言っていた。

そんな、様々な「ちょっと本州ではありえない」特徴を持った、不思議な島、屋久島の旅行日記を書いてみたいと思う。

あ、食事ですけど、ひつまぶし、サバ、トビウオ、各種お刺身、鹿肉などが食べられます。魚はかなり釣れるそうです。