北海道旅行[2]網走監獄
網走監獄という名称は以前から知っていたが、具体的な内容を知ったのは漫画「ゴールデンカムイ」で。私はアニメから入ったのだが、この漫画では24人の網走監獄の囚人が、それぞれ背中に金塊のありかを示す地図を入れ墨で彫られているという設定である。彼らは首謀者により脱獄させられ、てんでバラバラになったところを、主人公やその周りの人物が追い求めて金塊の場所を探し続けるのだが、この囚人たちには一応モデルがいる。
網走監獄から実際に脱獄した人物をモデルにしているのだ。
それを知っていると更に楽しめる。ここに来る観光客の実に半分以上はゴールデンカムイの読者だと思われた。
実際に行って見て感じたこと
一番はその寒さである。
この日GWにもかかわらず網走は5℃~9℃くらいしか気温がなく、小雨が降っていた。私は念のためスーツケースにいれていたダウンコートを羽織って出かけたがちょうどよかった。ニット帽も被っておいた。
網走監獄の舎房に入るとわかるのだが、お世辞にも暖かいとはいえなかった。一応暖房器具はあるのだが、壁は木である。木造建築物なのだ。
真冬にはマイナス9℃まで気温が下がるという…。
実際の話を聞いて一番勉強になったこと
北海道は開拓が必要だった。
明治初期、ロシアからの占領を恐れた日本政府は、開拓を急いだ。そこに使われたのが網走の囚人たちである。
どうしてもアウシュヴィッツを思い出さざるを得なかった。もちろん、ナチスが工事に使ったのは囚人ではなくユダヤ人だが、ドイツでも凍えるような寒さの中、囚人服1枚で重労働をさせたらしい。
網走監獄の囚人たちは連日の厳しい重労働により、何人も亡くなったという。適当に道路わきに埋められた遺体を、のちほど掘り出して、埋葬したんだとか。
しかも博物館を見てまわるとわかるが、食事は、麦飯・味噌汁・たくあん だけである…。
囚人に開拓された北海道の道路はとても運転がしやすい。北海道は広いので、道路も広いし、アップダウンがあまりないし、カーブもそんなにない。初心者でも練習はしやすいが、とにかく皆さんスピードを出すので、ちょっと怖いかもしれない。
例えば美幌バイパスなんかは、時速70kmでと書いてあるが、一般道でも彼らは時速70km出すので、ほとんど変わらないのだ。バイパスはせっかく高速道路として扱われているのに、スピードが変わらないなんて…。
ところでスピードを出しすぎると、信号の前で止まるのがものすごい大変になるので、信号を見たらすぐにスピードを落とし始めたほうがいい。急ブレーキは本当に良くない。
私は前日に知床まで運転していたので、道路のことを囚人に感謝せざるを得なかった。実に素晴らしい道路だったと思うし、寒さは想像を絶するものだったであろう。
ネタ的に面白いもの
やはり脱獄囚人の逸話はどれを読んでも面白い!
信じられないほどの怪力や器用さで、囚人たちは脱獄する。
そして結局見つかって戻されたりするんだけど、それがいちいちドラマチックだった。一本の煙草をもらったせいで嬉しくなって口がすべるなど、人間らしくていい。
白鳥なんかは、肉声が聴ける。
網走監獄食堂
この食堂は面白いので余裕があれば訪れてほしい。
麦飯味噌汁たくあんだけというのはさすがになかった。私はザンギ丼にした。
この食堂の特徴だが、「ひとり旅だとめっちゃ早く入れる」のである!私はとてもラッキーだった。カウンター席があるのであっという間に順番が来た。
食券制の食堂なのであまりリッチなものは期待できないが、観光のついでに寄れるのは楽でいい。
あと、網走監獄名物の「たくあん」もついてくるのだが、確かに美味しかった!色がオレンジで、少し甘い。
私は静岡で育ったのだが、そこのたくあんはもっと黄色くて、しわしわで味気なかったので、北海道はなんでも美味しいなあと感激した。
おまけ:特急オホーツク号
女満別空港からの帰りの飛行機がうまくとれなかったため、札幌に一泊して帰ることにしたのだが、今思うと好奇心だけで突っ走って、かえって高くついた気がする。(笑)
ただ、特急オホーツク号は楽しかった。
まずは網走駅唯一の売店で「かにめし」を購入。これがやってみたかったのだ。名物らしい。確かに美味しかった!しかも、カニだ!北海道の!
指定席をとったのだが、最後まで誰も隣にこなかった。
古くて風情のある電車だが、座り心地も悪くないしお手洗いも近い。荷物置き場は第一号車にあったので、動き出す前に設置した。
ただ、札幌まで5時間は長い。
うとうとしたり、ダウンロードしてきた動画を見ながら過ごした。
はじめての札幌
初めての札幌は、まるで銀座のような、綺麗で大きい都市に感じた。
都市自体はとても気に入った。とにかく綺麗なのである。ホテルから徒歩で大通り公園まで出ると、お花畑があって、タワーが見えて、噴水があって、とても綺麗だった。お店も充実している。
これで寒い地方じゃなかったら、ちょっと住んでみたいなと思った。